おすすめのPHPフレームワークを10個紹介します。自身のキャリアの中で触れた経験のないフレームワークにも、興味を持っていただくきっかけになれば幸いです。
Laravelは2011年6月に初版がリリースされた、PHPフレームワークです。日本に限らず世界中で人気が急上昇しています。PHPフレームワークのなかでは後発ではありますが、高い頻度でバージョンアップが行われており、2013年にはSymfonyをベースとして大きな変更が行われました。
メモリを使用する量は多く、リクエスト処理数は少ないとはよく言われますが、基本的な機能が全てそろっているフルスタックのWebアプリケーションフレームワークです。またWeb上や本の情報、セミナーの開催などが多いので学習はしやすいでしょう。ちなみにLaravelの名前の由来は「ナルニア国物語」に登場する王都名からきています。
CakePHP(ケイク・ピー・エイチ・ピー)は「ケーキ作りのように簡単にPHPで開発ができるように」をコンセプトとして、2005年に初版がリリースされました。Ruby on Railsと同様に「設定より規約」を設計理念としており、他フレームワークのように設定を細かく記述するのではなく、規約を守ってコードを書くことで、開発者は本質的な業務に集中することができます。日本語のドキュメントは豊富ですが、覚えることが多いため学習コストは高めです。
FuelPHPは後述するCodeIgniterをベースとして2011年にリリースされました。Laravelと同様に後発のPHPフレームワークですが、他のフレームワークの優れているところを参考にして設計がされています。CakePHPの「設定より規約」とは反対にFuelPHPは「規約よりも設定」 が設計理念です。
そのため、コードを書く量は多めになりますが、自由度が高くなっています。覚えることは比較的少ないため、学習コストは低めです。小規模の開発案件との相性が良いフレームワークと言えるでしょう。
ZendFramework(ゼンド・フレームワーク)は2006年にゼンド・テクノロジーズよりリリースされたPHPフレームワークです。シンプルで柔軟な使い方ができ、拡張性に優れています。コードを非公開にすることができるので企業利用に向いている点も特徴のひとつです。
Symfonyは2007年にリリースされたPHPフレームワークで、CakePHPと同様にRuby on Railsの影響を強く受けています。Laravelの台頭によって、シェアを奪われているものの、大規模の開発案件と相性が特に良いと言えるでしょう。堅牢でメンテナンス性の高いアプリケーションを開発することに向いています。ドキュメントは整っているものの、学習コストは高めです。
CodeIgniter(コードイグナイター)は2006年2月に初版がリリースされました。特徴は軽量でスピード重視な点です。規約が厳しくないため、PHPの理解があるエンジニアであればドキュメントを数時間読めば、開発に入れるほど学習コストは低めとなっています。環境構築も非常に簡単と言われているので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
Phalconはその処理速度の高さから、”爆速フレームワーク”と言われることもあるようです。基本的にPHPのフレームワークはPHPで書かれている場合が多いですが、PhalconはC言語で実装されています。BSDライセンスを使用しており、商用利用できるという点も大きな特徴と言えるでしょう。
ベンチマークではCodeIgniterの約2倍の速度で、メモリ使用量は3割ほど消費が少ないという結果が出ている点も注目すべきところです。そんな速くて、軽いPhalconですが、日本語ドキュメントが少ないため、英語が読めないと習得に少し苦戦してしまうかもしれません。
Slimは「マイクロフレームワーク」と呼ばれる、PHPフレームワークです。LaravelやCakePHPなどの「フルスタックフレームワーク」とよく比較をされます。必要最低限の機能のみが備わっているためとても軽量で、様々な機能を簡単に呼び出すことができます。シンプルなアプリケーションを開発したい場合などは、非常に相性がよいでしょう。
Yii(イー)は2008年にリリースされました。中国のエンジニアである、チアン・シュエによって開発されたPHPフレームワークです。「高速で安全で効率的なPHPフレームワーク」と公式サイトには記述があります。軽量で高負荷にも耐えられる設計となっていますが、日本での利用率はあまり多くはないのが現状です。
Flightは、「高速、シンプル、拡張可能なPHPのフレームワーク」と公式サイトには記載があります。Flightは、アメリカのTwitter社によって生み出されたフレームワークです。ルーティングも簡単に行えますが、現状フリーランスの案件はほとんどないのが現状です。
テクフリの案件データベースの情報をもとに、PHPのフレームワーク別の案件情報をご紹介します。本記事で解説したフレームワークを用いる案件もありますので、案件をお探しの方や新たにフレームワークのスキルを習得しようとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
※2024年10月時点(非公開中の案件を含む)
PHPの開発においてフレームワークを利用するメリットとして、おもに以下の4つについて解説します。
MVP開発やリーンスタートアップという言葉が注目されているように、IT/Web業界では特にサービスを高速で市場に投下することが重要です。PHPのフレームワークを利用するのとしないのでは、開発スピードにかなりの差が生じます。
例えばPHPのフレームワークには、データベースアクセスの機能やログイン機能などが備わっているのですが、それらをフレームワークなしでエラー無く完成させるには、かなりの時間を要してしまうのです。
プログラミングに限らず全ての仕事にいえますが、コードの書き方にはその人の個性やクセがでます。経験、スキル、年齢、性格、キャリアなど様々な要因によって差が生じるのですが、人が書いたコードを修正するのは、かなり大変な作業です。フレームワークを利用すれば、コードの統一性を保持させることができます。統一性を保持することにより、多人数開発にも対応しやすくなるでしょう。
PHPのフレームワークは基本的に大人数のエンジニアに利用されています。そのため、バグはすでに解決されていることが多いです。それらのバグが少ないフレームワークを利用して開発を進めると、開発をしたプログラムもバグが少なくなる可能性が高まるといえます。
PHPの中規模、大規模以上案件では、フレームワークが利用されていることがほとんどです。特にLaravelは年々ニーズが上昇しているため、PHPエンジニアのフリーランスとして仕事を安定的に獲得するにはキャッチアップは必須といえるでしょう。
PHPフレームワークを利用するにあたって、メリットだけではなくデメリットもあるということを認識しておきましょう。ここでは以下の4つのデメリットについて解説します。
フレームワークを使いこなすにはPHPの理解がある前提で、最低でも数週間は学習をする必要があります。概要を抑えることができても、細かい要望を実現しようとすると調査に更に時間がかかることはよくあります。また、ドキュメントは基本的に英語で書かれていることが多いです。
さらに、特定のフレームワークが提供する各種機能や設計パターンについても把握することが求められます。全体像を理解するだけではなく、具体的な実装の詳細や微細な要望に対応するためには、細かい箇所まで理解をする必要があるため、ある程度の学習時間が必要となるでしょう。
フレームワークによっては利用に費用がかかることがあります。学習をする前に、無料で利用ができるか調べることをおすすめします。また、有料のフレームワークの場合、その価格はフレームワークの機能や提供されるサポートの範囲によって異なります。そのためコストと利益を慎重に比較して、予算内で最も効果的な選択をすることが重要となります。
フレームワークはいわゆる「よくある機能」を開発する際には有用です。しかし、前例が少ない機能を開発したい場合、対応できないことが多々あります。フレームワークは決められたルールに則ってサービスを開発していかなければならないため、イレギュラーが多発するようなサービスではフレームワークを利用しないほうが作りやすいことがあるのです。
フレームワークは開発において必要な機能を凝縮させたものであり、開発効率や成果を向上させる重要なツールです。フレームワークを使うことで、複雑な機能を少ないコードで実現でき、複数人による開発にも対応しやすくなります。また、バグの減少やコードの統一性を保持することも可能です。
一方で、学習期間が必要であったり、利用に費用がかかることもあるため、選択には慎重さが必要となります。最近ではLaravelが人気を集めており、フリーランスエンジニアとして活躍する際にはLaravelやCakePHPを選ぶのがおすすめです。PHPを活かす案件は多数存在し、PHPフレームワークをマスターすることでより多くの仕事を獲得できるでしょう。
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