Pascalは約半世紀前の1970年に開発されたプログラミング言語であり、開発者はニクラウス・ヴィルトです。
Pascalという名称は哲学者である、ブレーズ・パスカルに由来していると知られています。
マイクロソフトやアップルがパソコンを発表するよりも以前であることから、プログラミング言語の歴史としては古くから存在しているプログラミング言語といえるでしょう。
そんなPascalの特徴は文法と定期がコンパクトにまとまっているということ。
そして1958年に開発されたALGOLをベースにして開発されたという側面もあります。
本記事ではPascalはどのように誕生・発展してきのか、その歴史を黎明期から見ていきましょう。
テクフリでフリーランス案件を探してみるPascal黎明期にあたる1960年代は、Pascalの開発に大きく影響したALGOLの新たな機能が開発された時期でもあります。
1960年にはALOL60、1968年にはALGOL68として改定され可変配列や演算子識別などの機能を有するようになっています。
このようなALGOLの機能拡張が後のPascal開発にも影響したといえるでしょう。
そして1960年代前半のコンピュータの用途の多くは軍事的な需要を満たすことにありました。
しかし集積回路のコストが下がるに伴ったこと、そして半導体メモリの技術が計算機に取り入れられたこともあり1960年代後半からは徐々にパーソナルコンピュータが普及をはじめます。
また1964年にはIBMからメインフレームのコンピュータシリーズであるSystem/360が発表されています。
同コンピュータシリーズは商用に利用されるたけでなく、科学技術の計算にも用いられました。
Pascalの誕生は1970年代ですが同時期に国内では日本万国博覧会が開催され世界中から6421万人の人が大阪に訪れた年です。
人類の進歩と調和をテーマにしたこのイベントは後の多くの人の記憶に残った1970年代を代表するイベントの一つでもあります。
Pascal開発の背景には教育を目的としていたこともあり読みやすさを重視した仕様となっています。
その後1975年までの間にPascalは機能拡張されていきPascal-PとPascal-Sが開発されています。
そしてPascal-Pはスイス連邦を代表する世界有数の工科大学でもあるチューリッヒ工科大学で開発されました。
チューリッヒ工科大学でこのような開発が行われた背景には、開発者であるニクラウス・ヴィルトの出身校であったことが関係しています。
では開発者のニクラウス・ヴィルトとはどのような人物だったのでしょうか。
ニクラウス・ヴィルトは1934年、スイスのヴィンタートゥールに生まれます。
高校生の頃には自作のロケットを作成しており、技術者としての才能は少年時代からも垣間見ることができます。
高校卒業後にはチューリッヒ工科大学に進学し、1959年には電気工学の学位を取得。その後は電気工学の博士号を取得、スタンフォード大学での教授を務めるなど華やかな経歴を歩みます。
1984年にはPascalの開発など数々の貢献が認められ、ACMチューリング賞を受賞しています。
Pascalの成長期は1970年後半から1980年代です。
1975年には並列動作用に拡張された機能の追加や、OS(オペレーションシステム)の開発に用いられるなど、システム開発にも取り入られるようになっています。
そして同時期にはPascal-Pに4つのバージョンが開発されており、その中でもPascal-P2はUCSD Pascalの開発のベースとなっています。
UCSD Pascalとは、Pascal処理系の一つであり、アメリカのサンディエゴ大学での開発されたPascalです。
コンパイラ機能を含む統合開発環境として実装されたため、Pascalの機能としては飛躍的な成長となったといえるでしょう。
またPascalはmacOSの標準言語としても使用されてきたため、Pascalの歴史を知る上でもアップルの存在は大きいことが分かります。
ちなみに1970年代の注目すべき出来事の一つにアップルコンピュータの開発があります。
1976年はスティーブジョブズがスティーブウォズニアックと共にアップルコンピュータの開発、販売をスタートさせて時期でもあります。
1977年には米国内におけるパーソナルコンピュータの普及に貢献したといえるほどビジネスとして成果を残しています。
このように1970年代はパーソナルコンピュータに注目が集まりはじめた時期でもあります。
そして家庭用ゲーム機であるファミコンが販売開始されたのは1983年です。
ファミコンの開発に用いられたのは主にアセンブラ言語ですが、このような出来事からプログラミング語やITへの世界的な注目が高まりました。
これらの時代背景もPascalの成長に少なからず影響していたといえるでしょう。
テクフリでフリーランス案件を探してみる2019年現在のPascalはその後新たなプログラミング言語が開発されたこともあり、主流のプログラミング言語ではありません。
しかし2019年現在注目を集めているプログラミング言語に影響を与えたブログラム言語として知られています。
ではPascalは現在のどのようなプログラミング言語に影響を与えているのでしょうか。
その一つがJavaです。
Javaは国内でも多くの開発現場で利用されているプログラミング言語の一つであり、様々な業界のシステム開発や保守、運用のニーズがあります。
実際にJavaは国内の求人数がトップクラスに多く、その技術を有するエンジニアは少なくありません。
JavaとPascalでは変数名と型名の記述の順番など違いもありますが、クラス名記載における大文字と小文字の区別などプログラミング言語としての影響を垣間見ることができます。
Pascalの影響があるプログラミング言語にはGo言語もあります。
Go言語とはGoogleが開発したオープンソースのプログラミング言語です。
公開された時期は2009年という比較的新しいプログラミング言語ですが、構文がシンプルで軽量という特徴があり、ソフトウェア開発に取り入れている企業は少なくありません。
繰り返し構文は最小限であり、サポートの対象となっているのはfor文のみでOSへの対応はLinuxだけでなく、Mac、Windowsにも対応しています。
実行速度も早く、プログラミングの確認がすみやかに行えるためソフトウェア開発の効率を高めることが期待できるプログラミング言語です。
Go言語は国内ではまだまだ主流の言語ではありませんが、米国ではその評価が高くGo言語を習得したエンジニアは日本円にして年収1000万円以上を獲得している人も珍しくありません。
米国などグローバルな環境でエンジニアとしての活躍を目指す場合、収入の面でもGo言語は魅力的なプログラミング言語だと考えることができます。
Go言語はコンパイル言語でもあるため、同じコンパイル言語であるJavaやCを習得している場合は比較的馴染みやすいプログラミング言語でもあります。
ここまで紹介してきたように、Pascalはパーソナルコンピュータの黎明期から存在しており、様々なプログラミング言語に影響を与えてきました。
現在は主流のプログラミング言語ではありませんが、Pascalについて知ることはプログラミング言語の歴史を語る上では欠かせないと言えるでしょう。
またPascalの歴史からプログラミング言語は時代の流れと共に需要の浮き沈みがあることがわかります。
新たにプログラミング言語の習得を目指す際は現在の需要だけでなく、将来の需要を予測することも大切です。
プログラミング言語の歴史を俯瞰して理解することは、エンジニアがキャリアを考える上でも重要な指針になるといえるでしょう。
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