近年、クラウドサービスが普及しており、クラウドエンジニアに注目が集まっています。
一方、ネットワークエンジニアは、古くからある職種です。
主に、企業のネットワーク設計や構築、保守運用、セキュリティ対策など、重要な役割を担っています。
ネットワークエンジニアは、クラウドエンジニアと、一部役割が重なる部分もあるでしょう。
しかし、クラウド時代においても、ネットワークエンジニアの存在は欠かせません。
本記事では、両者の仕事内容や扱う技術、キャリアパスの違いについて詳しく紹介していきます。
また、「ネットワークエンジニアはクラウド時代において将来性があるのか」についても解説していくので、参考にしてみてください。
ネットワークエンジニアとは、企業のネットワークに関する業務を行うエンジニアのことを指します。
ネットワークエンジニアの仕事では、ネットワークが問題なく動作するように、セキュリティやパフォーマンスの最適化などを考えることが必要です。
ネットワークエンジニアの役割は、ネットワークインフラストラクチャを設計、構築、管理、運用することです。
ネットワークエンジニアは、企業や組織の業務におけるネットワークの安定性、可用性、スケーラビリティを確保するために重要な役割を担っています。
近年、デジタル化が進む中、ネットワークエンジニアの役割はますます重要性を増していると言えるでしょう。
企業や組織がネットワークに求める要件が高度化する中、ネットワークエンジニアのスキルや知識が求められています。
ネットワークエンジニアの仕事は大きく以下3つに分けることが可能です。
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
ネットワークエンジニアは、ニーズに合わせて、適切なネットワークを設計することが求められます。
ネットワークの設計には、ネットワークやデータ転送の方法、通信プロトコルなどの知識が必要です。
設計業務では、ネットワークの設計に関する専門知識を持ち、ビジネスのニーズに合わせたネットワークの設計を行うことが重要となります。
ネットワーク構築には、ネットワーク機器の設定や接続、セキュリティの設定など、様々な業務内容があります。
構築業務では、これらの作業を適切に実施することで、信頼性の高いネットワークをつくり、サービスの安定稼働を実現することが必要です。
ネットワークの保守運用には、定期的なメンテナンスや問題の修正、アップデートなどの業務が生じます。
また、ハードウェアの故障やファームウェアの更新など、機器の物理的な修理やソフトウェアの更新も必要です。
さらに、ネットワークの利用状況のモニタリングや、障害発生時の復旧作業なども業務内容に含まれます。
ネットワークエンジニアは、主にルーティング、スイッチ、ファイアウォール、VPNなどの技術を扱います。
これらの技術は、安定したネットワーク環境を維持するために重要です。
ルーティングは、ネットワーク上のデータを効率的に転送するための技術であり、スイッチは複数のデバイスを接続するための技術となります。
ファイアウォールは、ネットワークに不正アクセスや攻撃がないように監視するための技術であり、VPNはネットワーク上のデータの安全な転送を実現するためのものです。
これらの技術を熟知したネットワークエンジニアは、ネットワーク機器の設定やトラブルシューティング、改善提案などの業務を行うことができます。
クラウドエンジニアは、クラウド環境の設計構築や運用保守を行う技術者です。
主にクラウドサービスを提供する企業で活躍しています。
クラウドエンジニアの役割は、クラウド技術を活用して、企業などが持つIT課題を解決することです。
近年、クラウドサービスの普及に伴い、クラウドエンジニアの需要が急増しています。
企業や組織において、クラウドの導入や運用に関するニーズが高まる中、クラウドエンジニアの役割はますます重要性を増しています。
クラウドエンジニアの仕事は、ネットワークエンジニア同様、大きく以下3つに分けることが可能です。
・設計
・構築
・保守運用
それぞれについて、確認していきましょう。
クラウド環境の設計には、クラウドサービスの選定から始まります。
クラウドサービスには、AWSやAzure、Google Cloud Platformなどがあり、選定には各サービスに関する知識が必要です。
クラウドエンジニアは、企業や組織のニーズに合わせて最適なクラウドサービスを選択し、アーキテクチャの決定やリソースの割り当てを行います。
構築では、仮想化技術やコンテナ技術を使用して、アプリケーションやシステムをクラウド上に展開します。
構築フェーズにおける業務では、仮想化技術を利用することが多いです。
物理的なサーバーを複数の仮想マシンに分割し、効率的なリソースの割り当てなどを行います。
また、コンテナ技術を使用して、アプリケーションを複数のコンテナに分割し、管理しやすくするといったケースもあるでしょう。
これらの技術を駆使して、スケーラブルで可用性の高いクラウド環境を構築することが重要です。
クラウドエンジニアが担当する保守運用は、以下のような業務です。
モニタリングツールを使用して、クラウド環境の監視を行い、問題が発生した場合には迅速に対応します。また、ログの解析を行い、システムのトラブルシューティングを行うことも必要です。さらに、パフォーマンスの最適化やスケールアップ/ダウンの調整など、システムの安定稼働に必要な調整作業を行うケースもあります。
ネットワークエンジニアとクラウドエンジニアには大きく3つの違いがあります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
ネットワークエンジニアとクラウドエンジニアの仕事内容は異なります。
ネットワークエンジニアは、オンプレミスのネットワーク機器を設定したり、運用するケースが多いです。
主に、通信環境の維持や改善することが主な仕事となります。
一方で、クラウドエンジニアは、クラウドプラットフォームを構築し、アプリケーションやサービスをデプロイすることが主な仕事です。
クラウドエンジニアは、インフラストラクチャの構築に焦点を当て、自動化とスケーラビリティのためにクラウドプラットフォームを利用します。
一般的には、クラウドサービスの設定、運用、トラブルシューティング、スケーリング、パフォーマンスチューニングなどを行うことが多いでしょう。
ネットワークエンジニアが扱う技術としては、ルーティングやスイッチング、VPN、ファイアウォールなどが挙げられます。
これに対して、クラウドエンジニアが扱う技術としては、AWSやAzure、GCPなどのクラウドプラットフォームを始めとする、クラウドインフラストラクチャに関する技術です。
ネットワークエンジニアとクラウドエンジニアになるまでのキャリアパスは異なります。
ネットワークエンジニアは、ネットワークに特化した技術者として、CCNAやCCNPといったネットワークエンジニア向けの資格取得が一般的です。
一方で、クラウドエンジニアは、AWSやAzure、GCPなどのクラウドプラットフォームの技術者として、AWS認定ソリューションアーキテクトやMicrosoft Certified Azure Solutions Architectといった資格を取得する人が多いでしょう。
参考:AWS認定ソリューションアーキテクト
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-solutions-architect-associate/
参考:Microsoft Certified Azure Solutions Architect
https://learn.microsoft.com/ja-jp/certifications/azure-solutions-architect/
クラウドサービスを使用していく中で、ネットワークエンジニアの役割は重要です。
クラウド上のアプリケーションやデータの通信を担当するネットワーク部分において、ネットワークエンジニアが保有する知識やスキルが必要不可欠だからです。
具体的には、ネットワークエンジニアが保有する、以下2つのスキルが大切と言われています。
クラウド上のアプリケーションやデータの通信は、ネットワークの設計や運用によって成り立っています。
ネットワークエンジニアが保有するネットワークの設計や構築、運用管理、トラブルシューティングなどの知識は欠かせません。
また、クラウドサービスを利用する場合には、クラウドプロバイダーとのネットワーク接続の設定や管理が必要となります。
クラウド上のアプリケーションやデータの通信は、セキュリティ上の課題があります。
この課題を解決するには、クラウド上にあるネットワークのセキュリティ設定や、アクセス制御、セキュリティ脆弱性の対策などが必要です。
また、クラウド上でのトラブルシューティングにおいて、セキュリティ上の問題を特定し、適切な対応を行う必要があります。
今後もネットワークエンジニアの需要は増加し、将来性は高いと言えます。
そのため、クラウドエンジニアがいても、ネットワークエンジニアは不要ではありません。
なぜなら、ネットワークエンジニアとクラウドエンジニアの業務領域が完全に同じではないからです。
また、クラウドサービスを理解する上で、ネットワークの知識は必要不可欠となります。
クラウドエンジニアとネットワークエンジニアは、互いに補完的な役割を担っており、どちらの職種も需要が伸び続けることが考えられます。
例えば、クラウドエンジニアがシステム全体の設計やクラウドインフラストラクチャの管理を担当するとしましょう。
一方で、ネットワークエンジニアがクラウドネットワークの設計やセキュリティの管理を担当することで、システム全体を安定的に動作させることが可能です。
このように、両者が共存する可能性が高いと言えます。
ネットワークエンジニアが、クラウドの知識を習得することで、さらなるスキルアップを目指すことができるでしょう。
クラウド時代においても、ネットワークエンジニアが必要な理由は、クラウド上で動作するシステムは、必ずネットワークを介して利用されるからです。
ネットワークの知識なしに、クラウドサービスを扱うことは困難でしょう。
逆にネットワークの知識があると、クラウド技術も習得しやすい傾向にあります。
弊社調べによると、ネットワークエンジニア案件の平均月単価は69万円です。年収換算すると828万円になります。
また、最高月単価は150万円、最低月単価は30万円で、最も案件数が多いのは60万円台となっています。
ネットワークエンジニアとクラウドエンジニアは、一部重なる部分もありますが、仕事内容や専門領域には違いがあります。
クラウド時代においても、ネットワークエンジニアは必要不可欠であり、クラウドエンジニアと共にシステム全体を運用することで、安定的なシステム運用を実現することが可能となります。
そのため、ネットワークエンジニアの将来性は高いと言えるでしょう。
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