VBA(Visual Basic for Applications)とは、Microsoft Office製品などに実装されているプログラミング言語です。ExcelやWordなどのアプリケーションを自動化し、業務の効率化を目的として使用されています。VBAを使用することで、繰り返し行うデータ入力やレポート生成などの動作を自動化することができます。また、ユーザーフォームを作成してデータの入力・管理をより簡単に行うことも可能です。
VBAはプログラミング初心者でも比較的習得しやすいですが、そのスキルはビジネス現場で即戦力となり得るでしょう。特に事務作業や経理部門、データ分析部門で求められることが多いスキルです。VBAの活用によりあらゆる業務の自動化・効率化が実現できるため、VBAエンジニアの需要は高いということが伺えます。
VBAエンジニアは、ExcelやAccessを使用して業務の自動化や効率化を行うことが主な仕事です。具体的にはデータの抽出や整理、グラフ作成の自動化、専用の入力フォームの作成などを行います。また、業務プロセスの改善や課題の解決策を立案して、それに基づいたツールの開発を担当することもあります。必要に応じて顧客とのやり取りや要件定義、設計などの上流工程も担当することがあり、幅広いスキルが求められます。ここではVBAエンジニアの仕事内容として、以下の2つについて詳しく解説します。
社内業務の効率化は、VBAエンジニアが担当する主な仕事のひとつです。先述の通り、データ抽出や集計、グラフ作成の自動化、専用の入力フォームの作成などを行います。例えば、毎月の売上レポート作成を自動化するマクロを開発すれば、数時間かかっていた作業を数分で完了させることも可能です。データの抽出や整理には膨大な時間がかかるケースもありますが、VBAを活用することによってその時間を大幅に削減することも可能です。
さらに人事部門では、VBAを使って従業員データの管理や給与計算を自動化し、処理時間を短縮するだけではなくミスを未然に防ぐことにも寄与します。このように、VBAエンジニアは業務の効率化だけではなく業務プロセスの精度改善にも貢献できます。
VBAエンジニアはデータベース運用の効率化においても重要な役割を果たします。具体的には、AccessやSQL Server、MySQLなどのデータベースと連携し、リアルタイムでデータを取得・更新するシステムを構築します。例えば、在庫管理システムにおいて、VBAを用いて在庫データを自動的に更新し、リアルタイムで在庫状況を把握できるようにすることが可能です。また、複数のデータベースからデータを統合して分析用のダッシュボードを作成することで、必要な情報を迅速に提供できるでしょう。
データベースのバックアップやリストア作業も自動化することで、システム管理者の負担を軽減してデータの安全性を確保します。企業におけるデータ管理の体制は近年特に注目されていますが、VBAエンジニアがデータ管理を効率化すれば企業の情報資産を守ることにもつながるでしょう。
VBAエンジニアの年収は、経験や雇用形態によって大きく異なります。正社員の場合、平均的な年収は400万円〜500万円程度です。一方、フリーランスのVBAエンジニアは月収60万円程度が多く、年収に換算すると600万円〜700万円を超えることもあります。以下では正社員とフリーランスのVBAエンジニアの年収を説明します。
正社員として企業に雇用されているVBAエンジニアの平均的な年収は、400〜500万円程度で、月収に換算すると25〜35万円の範囲となっています。もちろんこれは平均的な数値であるため、経験年数やスキルレベル、企業規模などによって変動します。例えば未経験VBAエンジニアの場合、年収300万円程度から始まるケースが多いです。一方で即戦力として評価されるVBAエンジニアの場合、初年度から400万円以上の年収を得られることも珍しくありません。キャリアを積んで中堅レベル以上になると年収600万円程度まで上昇する可能性があります。
また、VBA以外のプログラミング言語やデータベース、システム設計などの幅広いスキルを身につけることで、さらなる年収アップが期待できます。大手企業や金融機関などでは、高度なスキルを持つVBAエンジニアの年収が700万円を超えるケースもあります。繰り返しにはなりますが、これらの数値はあくまで目安のひとつとして捉えましょう。
フリーランスのVBAエンジニアの年収は、正社員と比べて高くなる傾向があります。求人サイト「フリーランススタート」によると、フリーランスVBAエンジニアの月額単価相場の平均は55万円程度となっており、年収に換算すると660万円程度となります。ただし、これは税金や社会保険料を差し引く前の金額であることに注意が必要です。
参考:フリーランススタート
フリーランスの場合、案件の単価や稼働率によって収入が大きく変動します。高スキルのVBAエンジニアは、月額100万円を超える案件を獲得することもあります。高収入を得られるチャンスがある一方で、フリーランスには案件の安定性や福利厚生の面では注意が必要です。案件が途切れると収入がゼロになってしまうリスクや、自身で確定申告や保険加入を行う必要があることなどは考慮しておきましょう。また、高単価の案件を獲得するためには、VBA以外にも幅広いスキルが求められます。フリーランスに限らず、安定した収入を得るためには知識やスキルの継続的なアップデートが求められます。
VBAエンジニアが年収をアップするためには、以下の方法が有効です。
継続的な学習と実践、そして自身の市場価値を高める努力が、着実な年収アップにつながります。以下ではVBAエンジニアが年収アップする方法を紹介します。
VBAエンジニアが他のプログラミング言語を習得することは、キャリアアップにおいて非常に有効です。例えば、PythonやJavaScript、SQL、HTMLなどの言語を学ぶことで、データ分析やウェブシステム開発、データベース管理など、幅広い業務に対応できるようになります。これにより、企業内での役割が増え、評価が上がることもあるでしょう。VBAエンジニアの役割は、主にMicrosoft Office製品内での自動化や効率化に焦点を当てていますが、現代のビジネス環境では、WebサーバーやWebサイトとの連携も重要になってきています。
VBAを使用してWebサーバーとの連携を実現することで、オフィスアプリケーションとウェブアプリケーションのシステムの連携が可能です。例えば、ExcelのVBAマクロを使用してWebサーバー上のデータを取得し、ローカルのExcelファイルに保存するといった使い方があります。このように、多言語スキルを持つエンジニアは複雑な課題に対して柔軟なアプローチが可能となり、より高い報酬を期待できます。
フリーランスとして独立することは、VBAエンジニアの年収アップにつながる有効な選択肢のひとつです。フリーランスになることで、自身のスキルや経験に見合った高単価の案件を直接受注できます。特に専門性の高いVBAスキルは多くの企業で需要があるため、安定的に仕事を確保できる人もいます。フリーランスの利点は、柔軟な働き方や複数のクライアントから仕事を受注できることです。多様な経験を積むことで、さらなるスキルアップにつなげられるでしょう。
ただしフリーランスとしての成功には、高度な技術力に加えて営業力やプロジェクト管理能力も同時に求められます。また、安定した収入を得るためには継続的な案件獲得とスキルアップも不可欠です。リスク管理能力や自己管理能力も重要となるため、慎重に検討して準備を整えてから独立することをおすすめします。フリーランスエンジニア向けのエージェントを活用することで、案件探しをスムーズに進めることができます。
VBAエンジニアにおすすめの資格には、「VBAエキスパート」と「Microsoft Office Specialist(MOS)」があります。VBAエキスパートはVBAの知識とスキルを証明する資格で、MOS資格はExcelやAccessなどのMicrosoft Office製品の操作スキルを証明する資格です。これらの資格を取得することで、業務効率化やデータ管理のプロとしての評価が高まり、キャリアアップや年収アップの機会が広がるでしょう。ここからはそれぞれの資格について、さらに詳しく説明します。
VBAエキスパートは株式会社オデッセイ コミュニケーションズが主催している、VBAスキルを評価する資格です。Excel VBAとAccess VBAの2種類があり、それぞれベーシック(初級)とスタンダード(上級)の2つのレベルが用意されています。スタンダードレベルでは、基礎的なマクロの記録や編集手順を理解して比較的簡単なVBAコードを作成するスキルが求められます。一方エキスパートレベルではより高度なプログラミングスキルが必要とされ、ユーザーフォームの作成や複雑なデータ処理、エラーハンドリングなどが出題されます。
VBAエキスパートを取得して実践的なスキルを証明すれば、即戦力として評価されやすくなるでしょう。転職や昇給交渉の際の強力な武器となるだけでなく、フリーランスとして個人で案件を探す際にもクライアントからの信頼につながります。
Microsoft Office Specialist (MOS)は、Microsoft社が認定する国際資格で、Office製品の操作スキルを評価します。VBAエンジニアにとって特に重要なのは、Excel Expert(エキスパート)レベルの資格です。Excel Expert資格の試験では、高度な関数やマクロの使用、データ分析、ピボットテーブルの作成など、Excelの上級機能の理解と活用能力が問われます。VBAに関する直接的な出題は少ないものの、Excelの深い理解はVBAプログラミングにも直結するため、VBAエンジニアにとって重要な資格といえるでしょう。
MOS資格の利点は、世界的に認知されている資格だということです。多くの企業がMOS資格を評価基準として採用しており、就職や転職の際にも大きな強みとなります。また、Excelの高度な機能を理解していることは、VBAエンジニアとしても大きなアドバンテージとなるでしょう。さらに、MOS資格はExcel以外のOffice製品(Word、PowerPoint、Accessなど)でも取得可能です。これらを複数取得することができれば、Office製品全般に精通したエンジニアとしてさらに幅広い業務に対応できるでしょう。
VBAエンジニアの将来性は、Microsoft Office製品の普及が続く限り一定の需要が見込まれるでしょう。特に業務効率化や自動化が求められる企業では、VBAを活用したツールの開発が重要な役割を果たします。一方でクラウドサービスやWebアプリケーションの台頭により、VBA単独での需要は徐々に変化していく可能性もあります。そのためVBAエンジニアには、他のプログラミング言語のスキルや、クラウドサービスとの連携技術などが求められるようになるでしょう。
またAIや機械学習の進展に伴って、VBAとこれらの技術を組み合わせた新しいソリューションの開発も期待されています。VBAスキルを基盤としつつ、常に新しい技術トレンドにアンテナを張ってスキルアップを目指す姿勢が求められます。
VBAエンジニアは、Microsoft Office製品を中心とした業務効率化や自動化のスペシャリストとして、重要な役割を果たします。社内業務の効率化からデータベース運用の最適化までその仕事内容は多岐にわたり、業務効率の改善に大きく貢献しています。VBAエンジニアの年収は正社員で400万円〜500万円、フリーランスで600万円〜700万円が一般的とされています。ただし今後の需要の変化に応じて、他のプログラミング言語やデータベースの知識を習得することでさらに高収入を目指せるでしょう。
VBAエンジニアの将来性に関しては、業務効率化の需要が継続する一方で、他の技術との融合が求められる傾向にあります。VBAスキルを基盤としつつ、新技術への適応力を高めることで、今後も高い市場価値を維持できるでしょう。今回紹介した年収アップの方法やおすすめの資格を参考に、継続的な学習と経験を積み上げて、周囲から求められるVBAエンジニアを目指しましょう。
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