フリーランスを目指しているものの、フリーランスになる際の手続きが分からないという方は多いのではないでしょうか。「開業届けは必須なのか?」「クレジットカードを作成しておいた方が良いのか?」など不明な点はいくつかあるでしょう。
本記事はフリーランスに必要な手続きについて解説します。退職前・退職後にやるべきことについてまとめました。フリーランスになるために準備を進めている方はぜひ参考にしてください。
会社を退職前にしなければいけない、あるいはした方が良い手続きは次の5つです。
これら5つの手続きを退職前に行うことで、退職後にスムーズにフリーランスとしての活動を始めることが可能です。一つひとつの手続きについて詳しく解説します。
まず、会社での退社手続きを行う必要があります。退社手続きの流れは一般的には次の通りです。
ただし、細かい流れは会社の規定によって異なるため、基本的には会社規定に従うことが大切です。また、会社によっては退職日の3ヶ月前には退職したい旨を伝えないといけない決まりになっていることもあるので、注意が必要でしょう。
フリーランスとして働くための仕事環境の整備も、退職前に抜かりなく行っておきましょう。パフォーマンスを最大限発揮できる環境を構築することが大切です。自宅で作業するのであれば、固定回線を引くのが良いでしょう。手軽にネットを使うならホームルーターを使ったりスマホのテザリング機能を使ったりする手もありますが、通信の安定度は固定回線には劣るため注意が必要です。また、自宅ではなくレンタルオフィスやコワーキングスペースで作業する予定なら、そちらとの契約も済ませておきましょう。
会社を辞める前にクレジットカードやローンの申請も済ませておくと良いです。なぜなら、フリーランスは収入が安定していないため、クレジットカードなどの審査に通りにくいことがあるのです。クレジットカードがなくても最近は他のキャッシュレス決済が使えますが、カードがあった方が確定申告が楽になるメリットがあります。仕事の経費にするものはクレジットカードで支払うようにすれば、経費の計算を簡単に行うことができますし、確定申告ソフトとカードを紐付ければ自動的に記帳することも可能です。クレジットカード・ローンの契約も早めに済ませておくと良いでしょう。
仕事用の銀行口座も開設しておくと良いです。個人用と仕事用で口座を分けることで、やはり確定申告が楽になります。仕事用の口座があれば、どのクライアントからいつ入金があったのか分かりやすくなるでしょう。また、クラウドソーシング経由で仕事を獲得する場合、口座の種類によって振込手数料が異なることもあります。そのため、振込手数料が安い口座を作っておくと節約になるでしょう。
名刺なども事前に作成すると独立後に慌てなくて済みます。会社員の場合会社で名刺を発行してもらえますが、フリーランスは自分で用意しなくてはいけません。クライアントと対面で仕事をする場合は名刺の受け渡しが発生しますので、おもにデスクワークを行う方も、名刺を作っておくと良いでしょう。その他、事業用メールアドレスやSNSアカウントなども用意しておくと、クライアントとのやり取りがしやすくなりますし、営業にも活用することが可能です。
続いて、会社を退職後にしなければいけない、あるいはした方が良い手続きについて解説します。
役所や税務署に行く必要があるものも多くあるので、なるべく早めに対応しておくことをおすすめします。一つひとつの手続き内容について詳しく解説しましょう。
退職後に必ずやるべきことが、社会保険から国民健康保険への切り替えです。国民健康保険は、社会保険に未加入の人が入る保険を指します。サラリーマンを辞めた方は、収入の有無に関わらず国民健康保険に加入しないといけません。国民健康保険への切り替えは、退職翌日から14日以内に行う必要があります。切り替えが遅れると、保険料を遡って支払わなくてはいけません。国民健康保険の手続きは、役所の「保険業務担当窓口」で行うことが可能です。切り替え時には「健康保険資格喪失証明書」を提出する必要があります。
参考:国民健康保険制度 |厚生労働省
会社員は国民年金と厚生年金と両方に加入していますが、退職すると国民年金のみになります。国民年金の切り替えも国民健康保険とあわせて行わなくてはいけません。こちらも、退職翌日から14日以内に行う必要があります。国民年金の手続きは「保険年金課」で行ってください。
なお、国民年金には「前納制度」があり、半年もしくは1年、2年分の年金を前納すると金額が割引されます。まとまったお金がないと前納はできないわけですが、それなりの節約になるため覚えておくと良いでしょう。
参考:国民年金|日本年金機構
フリーランスとして独立する場合、開業届を税務署に提出する必要があります。開業届は原則事業開始時点から1ヶ月以内に提出することが義務付けられています。開業届を提出しなくても罰則などはありませんが、義務なので提出しなくてはいけません。また、提出しないと青色申告ができないなどのデメリットがあります。開業届の書類は国税庁のサイトからダウンロードすることが可能です。詳しい書き方に関しては、関連記事をご確認ください。
参考:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
関連記事:フリーランスエンジニアの開業届の書き方やタイミングを解説
確定申告には大きく、白色申告と青色申告の2種類があります。青色申告には最大65万円の青色申告特別控除が受けられるなど多くのメリットがあるため、おすすめは青色申告です。ただし、青色申告を行うにはあらかじめ青色申告承認申請を税務署に提出しなくてはいけません。提出期限は青色申告を行う年の3月15日までとなっています。青色申告承認申請は開業届と一緒に提出するとスムーズでしょう。
参考:青色申告制度|国税庁
その他、フリーランスとして安定して稼いでいくために必要な準備内容について解説します。「フリーランスになるための準備期間はどの程度確保すべきか?」「生活費は何ヶ月分くらいを用意しておくべきか?」などの疑問にもお答えしましょう。
フリーランスになるための準備期間は半年が目安です。ただし、これはあくまで十分なスキルがある人の場合です。例えばフリーランスエンジニアなら、すでにシステム開発の実績があり、案件を獲得できるレベルに達していることが条件です。このレベルに達している人なら、副業で半年間実績作り・人脈作りを行うことで、ある程度稼げるようになる可能性があります。ただし、営業力に欠けているとスキルレベルが高い人でも稼げないこともある点は注意が必要です。
フリーランスとして独立する前に、最低でも生活費3ヶ月分の貯金を確保しておくのが望ましいでしょう。独立したばかりの頃は思うように案件を獲得できない場合も多いですし、報酬をすぐに得られるとは限りません。最低でも3ヶ月分の貯金を確保しておくことで、精神的にも安心して仕事を続けることができます。
スキルレベルが高い方でも、営業力に欠けていたり実績が不足していたりすると、案件を獲得できないことも多くあります。フリーランスエンジニアとして活動することに少しでも不安を覚えるなら、フリーランスエージェントを活用するのがおすすめです。
フリーランスエージェントに登録すると、アドバイザーが自分のスキルや希望に合った案件を紹介してくれます。更に、クライアントに対するアプローチもアドバイザーが代行してくれるため、営業力に自信がない人でも案件を獲得することが可能です。
テクフリはエージェントの中でも高単価案件を多く保有しています。また、初めてフリーランスとして活動する方に対しても、丁寧にアドバイスしてくれます。更に、テクフリは福利厚生が充実しているのも強みです。ITフリーランス専用の保険に加入できたり、フリーランス向けクレジットカードを発行できたり、コワーキングスペースを格安で利用できたりします。
本記事ではフリーランスになるために必要な手続きについて解説しました。特に忘れやすいのが、国民健康保険・国民年金の切り替えです。これらは退職翌日から14日以内に必ずしなければいけないため、忘れずに行うようにしましょう。
フリーランスとして安定して稼いでいくには事前準備が大切です。今のうちにできることは済ませておくことをおすすめします。また、フリーランスは厳しい道であることも事実ですので、独立する前にできるだけスキルアップを行い、高単価の案件を獲得できるようにすることも大切です。
フリーランスとして活動することに不安を覚える方は、テクフリなどのフリーランスエージェントを活用することをおすすめします。フリーランスエージェントは自分のスキルレベルに合った案件を紹介してくれるだけでなく、さまざまな福利厚生を提供しているため、安心して働くことが可能です。
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