RPAは「Robotic Process Automation」の略で、人の手で行っている業務や作業を自動化する技術のことです。キーボード入力などの定型業務や、クリックなどの繰り返し行うルーティーンワークを自動で行うことから、仮想知的労働者(デジタルレイバー)とも呼ばれています。
また、業務をこなすソフトウェアを「RPAロボット」と呼び、業務に合わせてさまざまな種類のロボットを作成することができます。
RPAロボットが代替する代表的な業務は、「会員登録」「勤怠管理」「交通費確認」などの業務です。これらの業務は単純なので、AIなどの技術を使用せずに、RPAシステムの開発だけで対応することができます。
RPAシステムを実行するソフトウェア(RPAツール)にはさまざまな種類のものがありますが、最も有名なものは「UiPath」でしょう。
「UiPath」とは、RPAのグローバルリーディングカンパニーであるUipath社が提供しているRPAソフトウェアです。「UiPath」のRPAにおける国内シェア率は1位で、割合は全体の30%を超えています。
RPAシステムの「導入」工程では、顧客の業務プロセスを理解する必要があります。そのために、顧客へのヒアリングや、使用されている業務システム・ツールのなどの情報収集・分析を行います。そこから、RPAロボットで代替する業務要件を定義します。
「開発」工程は、導入でRPAの業務要件を定義し、システム構築の方向性を確定してから行います。開発工程における主な業務は、システム要件の業務をRPAロボットが代替するためのシナリオの作成です。
シナリオとは、顧客が行っている業務に合わせて作成されたRPAの動作プロセスのパターンのことです。顧客によってRPAの活用要望は違うので、「導入工程」と同様に「開発工程」でも、顧客の業務プロセスをしっかりと理解していることが大切です。
RPAを導入し、顧客が利用を開始した後は、「運用・保守」工程に移ります。主な業務内容は、エラーが発生した際の対応や、顧客から追加の要望があった際のソフトウェアのアップデートが挙げられます。
使いづらいRPAシステムは、業務の効率を阻害します。そのため、運用・保守における対応もRPAの業務において、とても重要な仕事だと言えます。
近年、業務効率を高めるために、大手企業を中心にRPAを導入する企業が増えています。それに比例して、RPA導入や開発、運用・保守を行う人材の需要が高まり、フリーランスの案件数も増えています。
RPAの関連職種には、エンジニアやコンサルタントなどがあり、求人の多くはコンサルタント会社やIT企業などのRPAの業務委託案件です。
RPAは比較的新しい分野で、人材が不足しているため、エンジニアを目指している方や、フリーランスとして独立を考えている方におすすめの分野と言えるでしょう。
RPAに関連するフリーランス案件の単価相場は、月額約40~60万円と言われています。また、職種別に見ると、RPAエンジニアが月額約約30~60万円、RPAコンサルタントが月額約80~120万円です。
フリーランス案件の単価は、経験やスキル、担当する業務内容によって大きく変わります。RPA導入後の運用・保守業務だけの場合では案件の単価は低くなり、RPA導入前のコンサルタント業務の案件では単価が高くなる傾向があります。さらに、RPAの導入から運用・保守までの一連の業務を担当する案件の中には、月額単価が80万円を超えるものも存在します。
結論から言うと「RPAの需要は高い」と言えます。RPAは金融、サービス業、商社など、幅広い業界や企業で導入されていれ、その割合も年々増加しているからです。
その背景には、日本では少子高齢化により労働人口が年々減少しており、多くの企業が人手不足の問題に直面しています。就業支援や外国人労働者受け入れなどの対策を行なっていますが、それだけでは解決できません。
その深刻な人手不足の問題を改善することができるだけでなく、業務の生産性を上げられることができることから、RPAの需要は増え、多くの企業に導入されています。
まだ、RPAを導入していない企業も多く、今後も人手不足の問題によりにRPAの需要は増え続けることが予想されることから、RPAは需要だけでなく将来性も高いと言えるでしょう。
システム開発のスキルは、RPAエンジニアとして働くときにも役に立ちます。
RPAの開発は、定義された業務要件から仕様書を作成し、RPAロボットのシナリオを作成します。この作業が一般的なシステム開発の設計〜製造、テストの業務と似ているからです。
RPAを導入し効果を出すためには、RPAが適用しやすい業務や類似した業務などを、業務分析し見つけ出すスキルが必要です。自動化が向いていない業務に対しRPAを導入しても、大きな効果が出ないでしょう。RPAの効果をしっかりと出すためにも、業務分析スキルが必要です。
RPAを導入する際にはRPAツールを使うので、RPAツールの知識やスキルが必要です。ツールの使い方は業務の中で覚えることもできますが、あらかじめ身に付けておけば、RPAの案件獲得がより一層しやすくなるでしょう。
RPA業務では、Excelマクロ・VBAのスキルを求める場合があります。ExcelマクロはExcelの処理を自動化するもので、VBAはマクロの処理などを記述できるプログラミング言語です。
RPAの業務工程の理解やシナリオ作成業務には、VBAやExcelマクロのスキルが有用なので、必須ではありませんが身に付けておくといいでしょう。
RPAエンジニアは、所属する企業によって異なりますが、「開発」「保守・運用」の全ての工程、またはその一部の工程を行います。
「開発」はRPAエンジニアが担当する主な業務で、顧客が求める自動化したい業務をRPAツールを使用してロボットを構築していきます。
「保守・運用」の主な業務は、RPA運用中に起きたトラブルやエラーの対応やソフトウェアのアップデートです。
RPAコンサルタントは、RPAの導入の要件定義や効果予測、計画策定などの「導入」部分にあたる業務を担当します。
RPAコンサルタントの業務は、一般的なシステム開発で上級SEや営業SEが行うシステム導入提案に似ています。しかし、経営に直結する提案を行うので、名前の通り、エンジニアよりもコンサルタント寄りの業務と言えるでしょう。
RPAプリセールスエンジニアの主な業務は、RPAツールの提案・販売です。
提案力やコミニケーション能力などの営業面のスキルだけでなく、提案するためのRPAの知識や、デモンストレーションも行う際の技術力も求められます。
RPAに関連した職種として、プロジェクトリーダー・マネージャーを上げることができます。
プロジェクトリーダー・マネージャーは一般のシステム開発も行うため、RPAの知識やスキルだけでなく、一般のシステム開発のスキルや知識も求められます。
今回は、RPAについて「仕事内容」やフリーランス案件の「求人動向」などをまとめました。
人手不足などの問題を改善できるRPAの需要が高まっているとともに、RPAのフリーランス案件数も年々増加してきています。
この記事を通して、RPAに対する理解を深めるために、少しでもお役に立てましたら幸いです。
3つの質問に答えるだけで、フリーランスエンジニアとしての単価相場を算出します。 スキルやご経験にマッチする案件もあわせてご紹介いたしますので、気軽にご活用ください! ※単価相場の算出に個人情報の回答は必要ございません。