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【CPUはシェフ!?】パソコンのスペックの見方を知っておこう PC選びの参考に!

2024.08.20

フラン健史郎

働き方

目次

    多くの人にとってパソコンは重要な仕事道具ですが、特にエンジニアにとっては、いうまでもなく最重要ツールです。プログラマーやアプリ系エンジニアの方がプログラミングを書くにしても、インフラ系エンジニアがパラメータ資料を作成するにしても、パソコンがなくては始まりません。

    しかし、「店頭でいくつも並んでいるパソコンのうち、自分が求める性能のパソコンがどれなのかわからない」だとか、「二つのPCのうち、どっちが高性能なの???」と悩んだ経験のある方は、エンジニアの方でも意外と多いのではないでしょう?

    そこで今回は、パソコン選びに関わる、パソコン性能の評価ポイントについてお教えします。

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    パソコンの内部をレストランに例えてみよう

    パソコンの性能を決めるパーツの話をする際、本来は「コンピューターの五大装置」というところから行うのがセオリーです。けれど、あまり面白くないので、今回は、みなさんがイメージしやすいように、レストランに例えて、パソコンの内部の話をしてみたいと思います。

    というのも、例えば「クリックして、フォルダーを開ける」というパソコンの操作は、ちょうど、“クリックする→店員さんに注文する”、“フォルダーが開く(画面が変わる)→料理が完成して提供される”というのと、イメージ的には同じだからです。

    つまり、「クリックして、フォルダーが開く」という、なんのこともない操作も、パソコンの中でシェフ的な存在が頑張っているのと同じなのです。このシェフ的な存在の能力差がパソコンの性能差に大きく反映されます。

    そして、このパソコンの中のシェフ的な存在が『CPU』というパーツです。

    ただ、実はシェフがとっても優秀で、一度に五品くらい並行して作ることができたとしても、キッチンが狭すぎて、食材を広げするペースが足りないと、本領を発揮できません。パソコンでも同じで、CPUがいくら高性能でも作業場所が小さいと、実質的な能力がダウンすることがあります。

    パソコンの中にもキッチンスペースに相当するパーツがあり、それが『メモリ』というものです。

    そして、そもそも、十分な材料のストックがなければ、満足のいく料理を作ることができません。また、どんなにシェフが優秀で、作業場所が広くでも、冷蔵庫から食材を取ってくるのに、とっても時間がかかる、というお店だと、料理が注文してから完成するまで時間がかかってしまいますよね。

    パソコンでも、どんな高性能なCPUと大容量のメモリが搭載されていても、冷蔵庫の性能のせいで、パソコン全体の性能を押し下げてしまうこともあります。

    このパソコンの中の冷蔵庫スペースがHDDやSSDという『ストレージ』に当たります。

    次からは『CPU』『メモリ』『ストレージ』について、もっと踏み込んだところを見ていきましょう。

    【パソコンの中の】CPUシェフがすべて?

    まずは、パソコンの中のシェフ『CPU』から見ていきましょう。

    CPUを語るうえで重要なのは“コア”と“スレッド”、そして“クロック”という概念です。イメージ的には、“コア”はシェフ、“スレッド”はガスコンロ、“クロック”はガスコンロの火力です。

    例えば「4コア/8スレッド 3.6Ghz」のCPUの場合、4人のシェフさんが一人2個づつ、計8個のガスコンロを使っていて、ガスコンロの火力は3.6 Ghzだという風に理解してください。

    「4コア/8スレッド 3.6Ghz」と「4コア/4スレッド3.2Ghz」を比較すると、4コア/8スレッドの方が、4コア/4スレッドよりも“同時に作れる料理が多い(=並行でできるタスクが多い)”ということになります。

    しかも、3.2Ghzと3.6Ghzであれば、3.6Ghzの方が数字が大きいので、“より調理時間が短くなる(=処理が速い)”ということになります。

    ただし、コアやスレッド、クロックだけですべて決まるわけではありません。製造メーカーが異なるとコア、つまりシェフのスキルに差が出ます。また、同じメーカーのものであっても、世代(発売年度)によって、当然コアの能力が異なります。

    ちなみに、現在、Intelの「Core i」シリーズとAMDの「Ryzen」シリーズが二大ブランドですが、同じ時期に発売された同価格帯のモデルを比較すると、一つ一つのコアの性能は「Core i」の方が高いと言われています。その分、「Ryzen」はコアの数とクロック数を上げることで対抗しています。

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    【パソコンの中のキッチン】メモリとは

    めもり

    CPUの次は、パソコンの中のキッチンといえる『メモリ』についてです。

    メモリは一般的には容量、メモリサイズにのみ注意を払えば大丈夫です(マニアな人は速度にも目を向けますが、普通の使い方であれば、気にしなくて大丈夫です)。

    2020年現在、8GBが標準的なメモリサイズです。多すぎて困るということはありませんが、大きくなればそれだけ値段が上がってしまうので、現在、販売されているパソコンでは8GB~32GBくらいのものが多いです。

    なお、メモリがキッチンということは、例えば8コア/16スレッドのような、“シェフがいっぱいのCPU”の場合、それに応じた大容量メモリを搭載していないと、作業場所の取り合いになって、却って性能が下がってしまうことになります。

    【パソコンの中の冷蔵庫】HDDとSSDとeMMCなにが違う?

    次は、パソコンの中の冷蔵庫といえる『ストレージ』を見ていきましょう。

    インストールしたソフトやファイルを保存する“保管庫”であるため、大容量の方が良いのは当然として、速度も重要です。理由としては、上でも書いた通り、冷蔵庫であるストレージから、作業場所といえるメモリまでデータを移動させる速度もパソコンの処理速度に影響するためです。

    現在、ストレージはHDDとSSD、それからeMMCがよく見られますが、データの読み書き速度(転送速度)という意味では、SSDが最速で、eMMCが少し遅く、HDDが体感でわかるくらい遅いです。ただし、1GByteあたりの価格では、eMMCが一番高く、SSDが二番手で、HDDが最安という形になります。

    近年は、SSDの価格も安定してきたこともあり、ノートパソコンの多くが軽量化を図るために、SSDを搭載するようになってきましたが、それでもHDDとの価格差は大きいです。

    そうした価格対性能の問題に対処するため、複数のストレージを搭載できるデスクトップパソコンの場合、SSDとHDDの両方を搭載したものも多いです。OSなど利用回数の多い重要データはSSDに、それ以外のデータはコスパの良いHDDに保存するといった風に使い分けることで、ストレージのコスパを上げるのです。

    なお、eMMCは三つの中で一番小さく、消費電力も少ない、という特徴があり、小型のモバイルノートやスマホに採用されています。

    【パソコンの中の飾りつけ担当】グラフィックカード(GPU)ってなくて良いの?

    さて、価格の高いパソコンを見ていると、性能表に『グラフィックカード(GPU)』という項目があり「NVIDIA GeForce」や「AMD Radeon」というものが搭載されていると書かれていることが多いです。

    『グラフィックカード』は、画面処理のための演算処理装置であるGPUを搭載したオプションパーツです。グラフィックカードの役割は、その名の通り、ディスプレイに表示するグラフィックを“作る”のが仕事です。いわば、飾りつけを担当するデザイナーです。

    実は、いまどきのCPUにはGPUが内蔵されています。ですから、“画面に画像を出す”だけであれば、GPUがなくても問題ありません。しかし、例えば、バーチャルリアリティー(VR)などパソコンにとって負荷の高い画面出力が求められる場合、CPUの内蔵GPUでは荷が重いので、グラフィックカードが必須となります。

    ちなみに、グラフィックカードも数万円代のものから、10万円を超える高性能モデルまであります。クリエーター向けパソコンの場合、「一番、高いパーツはグラフィックカード」ということもよくあります。

    まとめ:最高の相棒を見つけよう!

    繰り返しになりますが、エンジニアにとってパソコンはもっとも重要な仕事道具です。“弘法は筆を選ばず”という言い回しもありますが、特性や能力を理解せずに道具を使いこなすことはできません。

    必要以上の性能を持った、むやみやたらと高額なパソコンを買う必要はありません。しかし、自分の目的に合った最高の相棒を見つけましょう。

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